七つの大罪シリーズ
若年層を中心に蔓延する違法ドラッグ<エンジェル・バイト>を対象とし、少女売春組織<プリティ・エンジェル>への潜入捜査を行っていた麻薬取締部捜査官が突然、消息不明となった。梯鳥信司率いる関東信越厚生局捜査四課は消えた潜入捜査官の捜索を開始する。ちょうどその頃、歌舞伎町のビデオボックスには<プリティ・エンジェル>に絡み発見された<スナッフ・ムービー(殺人ビデオ)>の出所を探っている警視庁の刑事、剣崎龍太の姿があった。そんな中、新宿駅の深夜長距離バス発着場でひとりの女性が失踪、そして事件が急展開し始める…
違法ドラッグ<エンジェル・バイト>のディストリビューター(=売人)として内偵対象だった一人の女が自宅マンションで死体となって発見された。死体の頭部は著しい損傷を受けていた。鼻から上が原形を留めていないほど破壊された「見るも無惨な姿」であったのだ。一体誰が、その女を殺害したのか? マンションのエントランスの防犯カメラに残っていた拳銃を持った男の姿。それは関東信越厚生局捜査四課の課長である梯鳥信司、その人であった… 今や霞ヶ関にまで蔓延する<エンジェル・バイト>。厚生労働省・監視指導・麻薬対策課の若く美しいエリート官僚(課長補佐)、中西久美子。麻薬を取り締まるべき立場にあるはずの彼女こそ<エンジェル・バイト>のディストリビューターの一人だったのだ。その中西が麻取捜査四課の捜査員、一ノ瀬毅に急接近する。気付かぬままにリークしていく麻取捜査四課の内偵情報。そんな中、未明の大黒埠頭で入港せんとする貨物船に全速力で接近していく一艘のタグボート。その船内には20kgのプラスティック爆薬(RDX)が仕掛けられていた。この爆弾は、エンジェル・バイト供給の黒幕<天宮儀>の右腕である爆弾魔・宇喜田優によりモンロー効果が最大となるよう巧妙にタンピングされたものだ。このままでは、石油化学コンビナートがひしめく京浜運河が火の海と化す。爆発を阻止することは可能なのか? 連続殺人犯として広域捜査対象となった梯鳥。それを追う刑事、剣崎。麻取や警視庁だけでなく、爆弾魔や霞ヶ関まで巻き込んで爆走するストーリーが「制御不能」なほどに加速する…
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違法ドラッグ<エンジェル・バイト>の原料となる中国産メタンフェタミン、通称<アイス>の密輸をしていた疑いのあるe-トレード社の常務、白石卓二が乗ったBMWがアクアラインで中央分離帯に激突、炎上した。この自動車事故は狙撃によって引き起こされたものであった。関東信越厚生局捜査四課の捜査線上に容疑者として一人の男が浮かび上がる。井出俊一、元SATの狙撃手。井出は、関東信越厚生局麻薬取締部の薬物鑑定官でありスナイパーでもある安岡志帆の昔の恋人でもあった。井出の次なるターゲットは「薬物乱用撲滅キャンペーン・キャラクター」のアイドル・松沼真弥。
狙撃は池袋西口公園での街頭キャンペーンで松沼が野外ステージに登場するその時に違いない。狙撃銃を手にサンシャイン60の屋上に赴く安岡。麻薬撲滅街頭キャンペーンの喧噪の中、かつて愛し合ったスナイパー同士が対峙する。勝ち残るのは、安岡か、それとも井出か? そして、標的となったアイドル・松沼の命の行方は? 痛いほどに悲しい、狂おしいほどに切ない「サドンデス・ゲーム」の幕が切って落とされたのだ。
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池袋で起きた<狙撃未遂事件>の後、行方知れずとなったアイドル・松沼真弥の行方を捜査する警視庁捜査一課特捜班の剣崎龍太。松沼真弥は、若年層を中心に蔓延する違法ドラッグ<エンジェル・バイト>の供給の黒幕であり、政界との癒着が噂されるロリータ・デートクラブ<プリティ・エンジェル>にも深く関与しているとされる天宮儀(あまみや・きたる:通称「エンジェル」)の所在を知る唯一の手がかりだからだ。一方、渋谷では<エンジェル・バイト>が既存のものとは異なる新たな流通経路で流れ始めたとの情報があった。「横流し」とも考えられる「入手ルート」を探るべく内偵を行っていた梯鳥信司ら麻薬取締官は、流通に関与した人間がみな「カビに感染している事実」に気付く。その病原性のカビは致死性が高いことから、過去コロンビアでコカの違法栽培の根絶に米国が使用したとされるバイオ系枯葉剤<エージェント・グリーン>ではないかとの疑惑も浮上する。<エージェント・グリーン>とは、米国バイオ企業・アグリバイオ社が遺伝子操作により作り出した<病原性菌類フザリウム・オキシスポラムAGX株>の事であり、人へ感染し命を奪うだけではなく、日本国内の農作物を全滅させる危険性のある最悪のバイオ兵器と言えた。失踪した<アイドル>、横流しされた<エンジェル・バイト>、バイオ系枯葉剤<エージェント・グリーン>。バラバラのパズルのピースが、やがてひとつに結びついていく…
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瀕死の<アイドル・松沼真弥>を乗せた特殊救急車が小平市の路上で忽然と姿を消した。救急車に同乗していた関東信越厚生局麻薬取締部四課課長・梯鳥信司と薬物分析官・安岡志帆、麻木さくらも共に行方不明に… 特殊救急車は黒幕<天宮儀>の右腕、爆弾魔<宇喜田優>により強奪されたのだ。強奪された救急車の中では、バイオ系枯葉剤<エージェント・グリーン>の製作者のミック辻が松沼真弥の身体から血液を抜き取っていた。松沼真弥が母親から受け継いだ遺伝的特徴(オプチニューリン遺伝子変異)が<エージェント・グリーン>のワクチン生産のために有効であると知ったミック辻は松沼真弥を<生きた培養器>として使用していたのだ。鼻歌混じりで採血を楽しむミック辻。最後の一滴まで血を搾り取られる松沼真弥。それを冷えたまなざしで見つめる宇喜田優。その背後では厚生労働省医薬担当審議官・黒田清がほくそ笑んでいた…
北海道十勝の大豆から検出されたカビが<エージェント・グリーン>であることが首相官邸に報告される。十勝だけではなく、カビの汚染は既に北海道全域に広がっていたのだ。この知らせに動揺を隠せない政府。箝口令が布かれているにもかかわらず漏れ出していくバイオテロの噂。そして、それに過敏に反応するシカゴ穀物取引所の大豆先物相場。一体、このバイオテロの<真の目的>は…
未曾有の<バイオテロ>が勃発した。果たして、警視庁捜査一課特捜班・剣崎龍太は、梯鳥信司を欠く麻取捜査四課の一ノ瀬と南は、エージェント・グリーンによるバイオテロを阻止できるのか? 首相官邸・危機管理対策室、それに公安調査庁まで巻き込んで疾走するストーリー。その結末は、もはや<予測不可能>…
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本シリーズは七つの大罪、すなわち、傲慢、嫉妬、暴食、色欲、怠惰、貪欲、憤怒の七つの罪を、各々モチーフとした連作であり、関東信越厚生局の麻薬取締捜査官(通称「麻取」)である梯鳥信司、そして警視庁刑事部のはぐれ刑事、剣崎龍太を中心に展開するハイパー・クライム・ストーリーだ。若年層を中心に蔓延するドラッグ<エンジェル・バイト>。その供給元である<元麻薬取締官・天宮儀>。複雑に絡み合う省庁間の、暴力団組織間の思惑。果たして、梯鳥は、そして剣崎は天宮の喉元に食らいつき、違法ドラッグ<エンジェル・バイト>の蔓延を止めることが出来るのか?
2008年7月、コロンビア革命軍(FARC)から解放されたイングリッド・ベタンクールが最近になって「FARCの中に一人の日本人がいた」と発言した。FARCに人質となっていた富樫謙太郎が開放され帰国するとの情報が警視庁捜査一課長檜山怜子のもとに届く。ベネズエラのカラカスからパリ、シャルルドゴール空港を経て成田へと帰国することになっている富樫。富樫は単なる〈FARCの人質〉であっただけなのか? 果たして富樫開放の真の目的は? 一方、大学キャンパス内でも流通し始めた違法薬物〈エンジェル・バイト〉の流入経路を探っていた関東信越厚生局麻薬取締捜査官の梯鳥信司らが、内偵中に遭遇した死体—無数の切り傷を体中に刻まれ、自らの鮮血でドレスを真っ赤に染めて息絶えた女—の胃袋から大粒のエメラルドが発見される。奇妙なタイミングで解放される人質、死体の中の宝石…… それを繋ぐ細い糸とは、一体何なのだろうか?
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北海道警で起きた銃器薬物対策課の捜査員の不祥事。その裏には組織的汚職の隠蔽工作の気配があった…
警察庁長官官房人事課監察官からの命を受け、警視庁捜査一課特捜班・剣崎龍太が札幌に飛ぶ。真昼の大通公園、そして真夜中のススキノ、神出鬼没の剣崎刑事がスタンドアローンで大暴走!! 北海道警、暴力団、そして、何故かゴスロリ少女バンドまで現れて、てんやわんやの<スピンオフ>が、ここに開幕する…
北海道警の警察官が麻薬不法所持で逮捕された。組織犯罪対策局生活安全部生活経済課の警部、岩城圭昭である。この道警始まって以来の「不祥事」の裏に、組織的不正が隠れていると睨む警察庁長官官房人事課監察官の馬橋裕介は、捜査一課特捜班に所属する剣崎龍太に、腹心の監察官室捜査員である藤代夏樹と共に札幌に内偵調査に向かうよう命ずる。逮捕された岩城は剣崎の高校時代の友人であり、共に甲子園を目指し白球を追っていた野球部員であったのだ。道警との癒着が疑われている暴力団、稲森会木暮組のヤクザども。秘密を握ったまま行方知れずとなった岩城の一人娘の圭子。偶然にも事件に巻き込まれてしまうゴスロリ少女バンド「In This Moment」の面々。様々な人々を巻き込みながら、事態は予想も付かない方向へと転がり始める… 果たして剣崎は、道警の不正を隠蔽するために「トカゲの尻尾」として切り捨てられようとする岩城を救うことが出来るのか?
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武藤組〈天宮儀〉が供給するエンジェル・バイトは青葉会が提供する安価なコカイン・クラックで急速にそのシェアを奪われ始めていた。一時は天宮にシャブの入手経路だけでなく販路まで破壊された青葉会であったが、コカインのコロンビアからの直接輸入という前代未聞のラインを作り上げて、切り込んできたのだ。拳銃どころかロケットランチャーまで所有する広域暴力団青葉会は武闘派武藤組と、麻薬市場の独占を賭けた全面戦争を開始する構えであった。果たして青葉会が作り上げたコロンビアからのコカイン密輸の巧妙なカラクリとは? それを解き明かすため内偵を開始した麻取四課、密輸のカラクリを守るためなら殺人も厭わない青葉会、そしてそのラインを完膚無きまでに破壊しようと動き出した天宮儀の腹心、爆弾魔〈宇喜田優〉と元コロンビア革命軍ゲリラ〈富樫謙太郎〉。三つ巴の最終決戦が、今まさに始まろうとしていた……